当園は梨の専業農家です(ミカンもあります)。
面積にして1.1ha、梨の樹は350本位栽培しています。
全ての梨は自宅の直売所と、近隣の農産物直売所にて販売しています。
ネット販売は2009年から始めました。
当園の梨作りのこだわりを簡単に紹介します。
(1)完熟朝どり
農家からの直売で果物をお求めになる際、最大のメリットは一番美味しいタイミングの物が手に入る事だと思います。
梨は、メロンやリンゴの様に追熟しないので、美味しいタイミングで収穫するのが重要です。
当園では、完熟ちょい手前の最良の物を収穫&箱詰めしています。
(本当に完熟だと発送する間に痛みが進むので、完熟品は店頭販売です)
朝だけ収穫するのもこだわりです。
朝は気温が低いので、果物の温度もひんやりしてます。
その分、収穫後の実痛みが進みにくいのです。
(2)手作業の受粉
梨は人工授粉が必要な果物で、他の品種の花粉を受粉する必要があります。
機械化、省力化が進むなか、当園では昔ながらの手作業で受粉をしています。
花の中でも、美味しい実になる花と、そうでない花があります。
それを見分けながら一つ一つ確実に受粉します。
手作業で受粉をすると、5本ある雌しべに確実に受粉できるので、
果形が良くなり、種がしっかり入ると味も美味しくなります。
もし我が家で機械化すれば受粉は一人で3日の作業ですが、
我が家では8人で10日以上掛けて受粉をします。
それだけの効果が確実にあります。
(3)全数袋かけ
全ての果実にパラフィンの袋を掛けて栽培しています。
袋を掛ける事で、病害虫から守る事ができ、更に農薬が直接掛かるのを防ぎます。
更に果実表面のキメが細かくなり、適熟期に収穫すると黄金色に光るように見えます。
安心、安全、見た目の美しさ・・・そして、製品率の高さに繋がっています。
コストを掛けてもロスが少ないので一般的な直売価格で提供できています。
(4)立地の良さ
当園のある静岡県浜松市は梨の有名産地ではありません。
静岡といえばお茶やミカンですね。
梨はサクラの仲間です。静岡県はサクラの開花が全国一早いです。
適度な寒さと暖かさが開花には必要で、より暖かい九州よりも早いのです。
つまり静岡県は全国一早い梨産地です。
古い話ですが、静岡県は大正から昭和初期には、その早だし産地の特色を
生かして、梨生産量で全国第一位でした。
更に、当園は三方原台地という台地の東側斜面にあります。
土質は赤土の粘土質です。
日当たりと水はけが良く、更に赤土の粘土質は適度にストレスが係り果樹栽培に適しています。
当園の濃厚な味や、プラスアルファの何かは、この立地の良さにあると思います。