「豊水が一番おいしい!」

私が一番好きな品種です

濃厚な甘み

爽やかな酸味

たっぷりの果汁

 幸水も好きですし、新品種の「あきづき」も好きですが、私が一番食べるのは豊水です。

 豊水の時期には毎日食べます。 


豊水は不運な品種だと思います。

私が考える不運な理由が三つあります。

1)酸味がある

熟して食べると丁度良いのですが、日持ちを重要視するので、

熟した果実は市場流通できません。

したがって、一般の豊水は未熟で酸っぱいのです。

せっかく美味しいのに、美味しくなる前に食べられて、嫌われてます。

しかし、適熟期に収穫できる直売なら、

酸味も適度になって、最高に美味しいのです

2)甘すぎる

豊水は梨にしては甘すぎます

それが、”水なし”という厄介な症状で生産者を悩ませます。

”水なし”とは、リンゴの密症(=密入りリンゴ)と同じなのですが、梨ではせっかくの食感が

台無しになってしまうので嫌われています。

密入りリンゴは糖が溜まり過ぎると、浸透圧の関係で周りの組織を破壊してしまう事で発生します。

”甘すぎる”からなるのです。

豊水は、蜜入り直前の状態が最高に美味いです。

当園は”水なし”(=密症)が意外に少ない気がしています。

(出荷時に十分注意してますが、混入したら教えてください)

これは、着果量を確保できているからだと思っています。

手受粉による人工授粉で確実に結実&種入りさせているので 

適度に養分を分散して多くが密入り直前で済んでいるのだと思います。

3)名前が呼びにくい

”こうすい” と ”ほうすい” 

良く似てますよね。

豊水の方が後にできた品種なのに、こんなに発音が近い品種名を付けなくても良いのに・・

と思います。

でも、豊水の名前のように、とってもみずみずしくて、果汁が沢山でてくる

豊かな水分の梨なのです。”ほうすい”と名づけたくなる気持ちも判るのです。

呼びにくかったら、”豊か”と呼んでください。

 

色々不運ですが、豊水は直売に一番向いている品種なのかも知れません。

スーパーでは、酸っぱくて、甘くなくて、硬い豊水かも知れませんが、

直売でだけ、最高に美味しい豊水がお届けできます